史跡(歴史文化)

しせき(れきしぶんか)

交野の6つの歴史物語

交野市の歴史文化を、交野市教育委員会が策定中(2022年)の6つのテーマ(ストーリー)に沿ってご紹介します。 点としての各文化財が、歴史の主人公のストーリーによって線となり、面となることで、交野を知り、身近に感じてもらえたら幸いです。
(現在交野市教育委員会文化財係で策定中のため、正式に公開された後に内容を変更する可能性があります)

テーマ① 交野の王墓と鉄器生産

★主人公(関連する中心人物)  肩野物部氏(鉄の王)
★ストーリー(物語) ~天から天磐樟船で降臨した鉄の王の物語~
古墳時代には、鉄器生産跡が残る森遺跡群など「交野の王」の墓が数多く造られました。
これらの古墳の最深部、奈良県との境に磐船神社あります。ご神体は物部氏の祖・饒速日命(にぎはやひのみこと)が哮(たける/いかる)が峰に天降ったと伝承される天磐樟船(巨磐)が鎮座しています。

テーマ② 天野川と七夕伝承

★主人公(関連する中心人物)  惟喬親王・在原業平
★ストーリー(物語) ~七夕にまつわる平安貴族の物語~
交野の山間部から淀川にそそぐ天野川。流域の交野市と枚方市は古くは交野ヶ原と呼ばれ、桜の名所、平安貴族の狩場として平安貴族の一大リゾート地でした。
惟喬親王・在原業平といった平安貴族たちは天野川の畔に来て、天上の天の川になぞらえ、「七夕」を題材に数多くの歌を詠みました。
近年では、倉治の機物神社や星田の星田妙見宮の七夕祭がにぎやかに行われています。

テーマ③ 巨石信仰と社寺伝承

★主人公(関連する中心人物)  弘法大師(空海)、役行者
★ストーリー(物語) ~巨石にまつわる超人たちの物語~
浸食された花崗岩からなる生駒(交野)山地には、交野のシンボルともいえる交野山(こうのさん)に代表される巨岩、奇岩が多く存在し、昔から修験道の行場として利用されていました。
交野山の観音岩、磐船神社の天磐樟船、弘法大師が天から北斗七星を星田の3か所(八丁三所)に降らせた秘宝を唱えた獅子窟寺、星田妙見宮の織女石など、今も信仰が息づいています。

テーマ④ 交野の城と安見氏の記憶

★主人公(関連する中心人物)  安見右近
★ストーリー(物語) ~砲術家として活躍した戦国武将の物語~
交野城とも呼ばれる私部(きさべ)城は、現在の大阪府内では数少なくなった自然地形を巧みに利用した戦国時代の平地城郭です。  京都、河内、大和の中間地点にあたる北河内をおさえる重要な城でした。
城主の安見右近は反織田勢力により自刃させられましたが、城主亡き後妻が私部城に立てこもり、砲術を駆使して織田軍に対抗した軍記物語「室町殿日記」が有名です。

テーマ⑤ 徳川の世の村々を治めた代官庄屋の物語

★主人公(関連する中心人物)  徳川家康・北田家・山添家(代官庄屋)
★ストーリー(物語) ~徳川支配がはじまり現在の交野の旧村が成立するまでの物語~
本能寺の変の時、堺にいて身の危険を感じた徳川家康は三河へ逃げ帰りますが、その際星田村の庄屋の平井家の助力があったと伝わります。
大坂夏の陣の時には、星田の新宮山(現在の星田公園)に陣を張り、平井家で宿を取りました。
市内に今も残る代官屋敷は、家康ゆかりの、徳川の世を感じさせてくれます。

テーマ⑥ 近代産業と鉄道の発展

★主人公(関連する中心人物)  金澤泰治氏・原田元治郎氏
★ストーリー(物語) ~二人の偉人が交野の産業を興した物語~
産業の発展とともに交野でも鉄道の建設が始まります。
私部の原田式織機製作所の原田元治郎氏らの尽力により現在のJR学研都市線(片町線)が敷設され、近代産業の発展に鉄道の発展は欠かせなくなりました。
一方、京阪交野線の前身は信貴生駒電鉄で、当初は枚方と生駒を鉄道で結ぶ計画でした。今でも私市駅前に建設予定地の名残りを見ることができます。
また、金澤泰治氏らは園芸組合を作り、大阪市内などから苺狩りや芋ほりの集客や販売につなげ、鉄道の発展とともに近代産業につなげていきました。

(出典:2023-2032年度 交野市文化財保存活用地域計画素案)

問合せ先
住所 交野市私部2丁目29番1号(交野市教育委員会社会教育課文化財係)
電話番号072-893-8111(文化財係)
営業時間月~金曜日 午前9時~午後5時30分
定休日土・日曜日、祝日、年末年始
WEBhttps://www.city.katano.osaka.jp/promotion.html
駐車場約80台(青年の家)